平成23年2月21日に消費者庁より公表されました『トランス脂肪酸の情報開示に関する指針』につきまして、全日本スパイス協会と致しましては下記の考え方に基いて対応いたします。
一般的に「日本人一日当たりのトランス脂肪酸の平均的な摂取量は問題ないレベルである」と言われおり、「バランスの良い食事をとることこそが大切」とされています。
また、香辛料の摂取量は日本人一日当たり1g以下と非常に少なく、日本人のトランス脂肪酸摂取量全体への影響は殆どないものと判断しております。従って、全日本スパイス協会と致しましては、個々の香辛料のトランス脂肪酸分析等を行なう必要性はないものと考えております。
さらに、トランス脂肪酸に関しましては、食品安全委員会がファクトシートを作成(平成16年12月17日)し公開しておりますが、同ファクトシートによれば、トランス脂肪酸は、トランス型の二重結合を有する不飽和脂肪酸であって、マーガリンやショートニングなどの加工油脂やこれらを原料として製造される食品、乳、乳製品、反すう動物の肉や精製植物油などに含まれているとされております。
またトランス脂肪酸の生成には次の4つの過程があることが示されております。
【加工・調理段階で生成】
- (1)植物油等の加工に際し、水素添加の過程において、シス型の不飽和脂肪酸から生成
- (2)植物油等の精製に際し、脱臭の過程において、シス型の不飽和脂肪酸から生成
- (3)油を高温で加熱する調理過程において、シス型の不飽和脂肪酸から生成
【天然に生成】
- (4)自然界において、牛など(反すう動物)の反すう胃内でバクテリアの働きにより生成
(乳や肉などに少量含まれる)
全日本スパイス協会と致しましては、天然の香辛料は、上記4つのトランス脂肪酸発生要因を持っていないこと、及び前述のように日本人一人当たりの摂取量が極めて少ないことから、日常生活における日本人のトランス脂肪酸摂取量に影響を及ぼさないものと考えております。
平成23年3月9日
|
copyright(c)2002 All Nippon Spice
Association All Rights Reserved. |
|